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事務所だより 平成28年1月号

新年あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとりまして幸多き年となり ますよう心からお祈り申しあげます。
今年の税制改正の目玉は、企業版ふるさと 納税と年間10万円までの一定の市販薬の医療費控除の特例や、国税のクレジット カード納付制度の創設です。
対象品目を巡って最後まで紛糾した消費税の軽減税 率制度が「酒類及び外食を除く食品全般」と定期購読の新聞となりましたが、導 入後は経理事務が非常に煩雑になります。


=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆平成28年1月の税務
◆相続税の自主申告 国税庁 誤りやすい事例を公表
◆「高齢者の地方移住」の支援へ 政府「住み替え税制」を検討中

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◆平成28年1月の税務
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1/12
●前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

2/1
●前年11月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・( 法人事業所税)・法人住民税>
●源泉徴収票の交付
●支払調書の提出
●固定資産税の償却資産に関する申告
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●5月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者 の1月ごとの中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●給与支払報告書の提出


○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)
○給与所得者の扶養控除等申告書の提出

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◆相続税の自主申告 国税庁 誤りやすい事例を公表
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専門誌等では、あれやこれやの節税策が喧伝されています。
では、相続税の基礎控除4割カットがそれほど大きな負担に繋がるのでしょう か。
負担増にならないとは言いませんが、実際のところ、自宅(住居地にもより ますが)と現預金2,000万円前後の遺産では、相続税の負担はせいぜい200万円前 後です。
財産を貰っての負担ですから、決して払えない金額ではありません。何 か不安を煽っているようにも思われます。
ところで過日、国税庁は今後、専門家に頼らず相続人の自主申告が増えると予 測してか、誤りやすい事例を公表しました。幾つか紹介をしてみたいと思います 。

●被相続人の兄弟姉妹が相続人
相続税法では、相続・遺贈で財産を貰った人が一親等の血族及び配偶者以外で あれば、算出された税額に2割加算することになっています。
兄弟姉妹は二親等 の血族ですから、2割加算の対象になるというものです。
また、孫が相続した場 合、その孫が代襲相続人でない場合には、2割加算の対象になることも事例とし て掲げています。

●お墓の購入費用に係る借入金
事例の内容は、被相続人が借金して350万円のお墓を購入、相続開始時には220 万円の残債があり、その残債220万円を債務控除して申告したというものです。
解説は、お墓は非課税財産であるから、非課税財産に関する債務は、相続税の計 算上、債務として差引くことができません、です。

●未納の固定資産税・住民税
事例は、相続開始日(3月7日)には、固定資産税と住民税の納税通知書が送付 されてきていなかったので、債務控除しなかったというものです。
解説は、固定 資産税と住民税の納税義務は既に成立しているので、納税通知書の有無にかかわ らず債務控除ができます、という内容です。

●団信生命保険と住宅ローン
事例は、団体信用生命保険契約に加入しているにもかかわらず住宅ローンを債 務控除しているというものです。
解説では、住宅ローンは相続人が支払う必要の ない債務なので控除できません、とするものです。

●養子縁組と法定相続人の数
事例・解説では、相続税の計算に当たっては、養子の法定相続人の数は制限さ れている、被相続人に実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人で計算す る、といった内容です。

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◆「高齢者の地方移住」の支援へ 政府「住み替え税制」を検討中
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◆家康の隠居先が「駿府」であった理由
関ケ原の戦いで西軍に勝利した徳川家康は、慶長10年(1605年)に将軍職を子 の秀忠に譲った後、駿府(現在の静岡市)に隠居しました。
わざわざ「駿府」に 隠居した理由については、家康が好んでいた富士山が見えて、鷹狩りの良い場所 があり、好物の茄子(折戸茄子)があるからとも言われています(いくつかある 「一富士二鷹三茄子」の由来の一つとなっています)。
もっとも、駿府は、家康がその幼少期に今川家に人質として暮らしていた地で もあります(太原雪斎に12年学んでいました)。
「引退後は気心が知れた土地で 暮らしたい」という気持ちもあったのかもしれませんね。

◆現行ではマイホーム売却時に「5つの特例」
家康と同じように「引退後は田舎に住み替えたい」という方がよくいらっしゃ います。
このような場合、現在の居宅を引き払わなければなりませんが、マイホ ームを売却した場合には、所得税・住民税(土地・建物の譲渡所得)の5つの特 例があります。
1.譲渡益が生じる場合の特例
譲渡益が生じる場合の特例には、(1)3,000万円の特別控除、(2)居住用財 産(10年超所有)の軽減税率の特例、(3)特定居住用財産の買換えの3つの特 例があります。
細かな要件がいくつかありますが、(1)と(2)は重複適用できます((3) については、(1)や(2)との重複適用はできません)。
2.譲渡損が生じる場合
譲渡損が生じる場合については、(4)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損 失の損益通算・繰越控除と(5)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控 除(住宅ローンが残っているマイホームを売却)の2つの特例があります。

◆「住み替え税制」検討(地方居住を後押し)
これらの所得税の特例は2015年12月31日に期限切れとなるものがいくつかあり ます。
新聞報道では、政府はまず単純延長した上、ローンを組んでいなくても特 例が適用できるなど内容を見直し、2017年度の税制改正で盛り込みたいようです 。
具体的には、高齢者がローンを組まずに地方の賃貸住宅に移り住む場合でも所 得控除を受けることができる形を考えているようです。




税理士法人 T&Mソリューション