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事務所だより 平成31年2月号

 政府の発表する統計数値が実感と乖離していると感じていましたが、厚生労働省 による「毎月勤労統計」の集計方法が政府に都合のいいように変更されていたこ とが判明しました。
その結果、賃金上昇率は一気に伸び、全国紙はこぞって「賃 金伸び 21年5カ月ぶりの高水準」「アベノミクスの成果」などと報じました。し かも、この変更を指示したのは、なんと麻生太郎財務相であり、その場には安倍 首相も同席していたと報道されています。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆2019年2月の税務
◆平成31年税制改正大綱 個人所得課税(一般)編
◆平成31年度税制改正大綱 資産課税編

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◆2019年2月の税務
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2/12
●1月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

2/28
●前年12月決算法人及び決算期の定めのない人格なき社団等の確定申告<法人税 ・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●6月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、9月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の11月、12月決算法人を除く法人の1月ごとの中 間申告(10月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○前年分贈与税の申告(2月1日から3月15日まで)
○前年分所得税の確定申告(2月18日から3月15日まで)
○固定資産税(都市計画税)の第4期分の納付

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◆平成31年税制改正大綱 個人所得課税(一般)編
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◆31年税制改正「消費税対策」が重点に
平成31年の税制改正大綱では、10月に実施予定の消費税率10%引上げに伴う、 駆込み需要・反動減対策(車両・住宅)に重点が置かれ、単年度ベースで1,670 憶円規模の減税措置がされると公表されました。
個人所得課税(金融・証券税制以外のもの)については、次の項目が改正され ます。

◆住宅ローン控除の拡充(国税・減税)
過去の消費増税時に住宅の駆込み需要とその後の販売減を経験していることか ら、住宅ローン控除が拡充されました。
31年10月から32年末に入居する住宅(消 費税10%適用)については、控除期間が現行の10年から13年に延長されます。
11 年目からは計算方法が変わることに注意しましょう。
1〜10年目:住宅ローン年末残高×1%(最大40万円)
11〜13年目:次のいずれか少ない金額
(1)住宅ローン年末残高×1%
(2)取得価額(最大4000万円)×2%÷3

◆空き家の譲渡の特別控除(国税・減税)
適用期限が4年延長され、老人ホーム等に入所したことにより空き家になって 場合においても、一定の要件を満たすものについては、適用の対象となりました 。
また、所有者不明土地を収用した場合の5,000万円特別控除制度が創設されま した。

◆ひとり親(未婚)の非課税(住民税・減税)
自公で議論となっていたのが、婚姻歴のないシングルマザー等の「寡婦(夫) 控除」の取扱い。結論は翌年に持ち越しとなりましたが、次の要件を満たす「ひ とり親」の住民税が非課税とされました(未婚男性の「ひとり親」にも適用され ます)。
・児童扶養手当の支給を受けていること
・前年の合計所得金額が135万円以下
なお、所得税の負担が残るため、給付金17,500円(非課税)が年収365万円ま での10万人弱を対象に支給される見通しです。

◆その他の改正(ふるさと納税の適正化など)
その他には、
(1)ふるさと納税の高額返戻品禁止(返戻割合3割以下の地場産品 に限定)、
(2)仮装通貨の取得価額の計算方法の明確化(移動平均法又は総平均 法)、
(3)申告書の源泉徴収票、特定口座年間取引報告書等の添付不要化・記載 事項の見直し、
(4)森林環境税(仮)の創設、
(5)公的年金等の源泉徴収見直し等
が措置されています。
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◆平成31年度税制改正大綱 資産課税編
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◆個人事業者版の事業承継税制創設
平成30年度税制改正では、非上場会社の事業承継税制の大胆な見直しが行われ ましたが、これに続き31年度改正では、個人事業者の事業承継税制が創設されま した。
総務省の調査では、平成37年には個人事業者の73%(150万人)が70歳以上と なると報告され、世代交代を後押しする施策が求められています。そのため、10 年間の時限措置として、承継資産(土地・建物・機械等)に係る贈与税・相続税 の100%が納税猶予される制度が整備されます。
なお、この制度は小規模宅地等(特定事業用宅地等)との選択適用になります 。

○個人事業者の事業用資産の納税猶予(相続税)
対象者:認定相続人(承継計画の認可)
適用期間:H31.1.1〜H40.12.31
要件:(1)相続又は遺贈により特定事業用資産を取得し、事業を継続していくこ と(2)申告期限までに担保提供・申請書提出
対象資産:特定事業用資産(不動産貸付事業除く)
(1)土地(地積400uまで)、(2)建物(床面積800uまで)、(3)一定の償却資産

※青色申告書に添付する貸借対照表に計上されているもの
承継後:継続届出書を税務署に提出

◆特定事業用宅地等(小規模宅地)の見直し
小規模宅地等の減額制度の濫用を防止する観点から、特定事業用宅地等から相 続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等が除かれることとなります。
ただ し、その宅地の上で事業供用される償却資産の価額が土地の価額の15%以上であ れば、適用対象とされます(H31.4以後の相続より適用)。

◆民法の成人年齢引下げに伴う改正
平成34年4月以後の相続・贈与より、次の年齢が20歳から18歳に引き下げられ ます。
・相続税:未成年者控除の対象者の年齢
・贈与税:下記の受贈者の年齢要件
(1)相続時精算課税制度、(2)直系尊属から贈与を受けた場合の特例税率、(3)非 上場株式等に係る贈与税の納税猶予

◆一括贈与非課税に受贈者の所得要件が追加
「教育資金」、「結婚・子育て資金」の一括贈与非課税については、受贈者の 所得要件が設けられることとなりました。
平成31年4月以後の贈与からは、受贈 者の贈与前年の合計所得金額が1,000万円を超える場合には適用できません。
ま た、23歳以上の趣味の習い事代は「教育資金」の範囲外とされました(H31.7以 後の贈与より)。
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